ひこうき雲

2016年3月に大学生の長男を自死で亡くしました。
長男への気持ちなどを綴っています。

生きていくには膨大なエネルギーが必要

長男を亡くした日、私の時が一度止まった。


夢や希望、幸福感が私の中から一切消えてしまった。


夢も希望も見えない未来に進みたくない。

だったら止まればいい。

そう思い、いったん時を止めた。


そして止めた時の中で、

何故長男が死ななくちゃならなかったのか?

自分の何がいけなかっのか?

救うことはできなかったのか?


疑問と後悔が止むことなく、グルグルグルグル回り続けた。



周りの人は進む時の中で、未来を見つめ前を向いて生きている。

そんな人達にとって、止まった時の中にいて進もうとしない人は邪魔だし、理解しようにも分からない。

だから、いつまでもそこにいないで 一緒に歩けと急かされる。


悲しんでいれば、いつまでも泣いてるんじゃないと心無い言葉を投げかけられる。


でも、言葉だけで誰も手を引いて起こそうとはしてくれなかった。


そんな辛く苦しい中で必死に助けを求め探した。


そんな中、私の時が半分だけ動いた。

動かしてくれたのは次男だった。


大学受験という目標を持ち、必死に夢を求めて未来に進もうとしていた。

その次男のエネルギーが私の時間の半分を動かしてくれた。


時を動かし未来へ進むには希望とエネルギーがなければ行かれない。

そのエネルギーを持つ人が一人でも身近にいて分けてもらえる人はいい。

いない場合は、少しずつ少しずつ自分の中に自分でエネルギーを貯めなければならない。

でも、これは簡単なようですごく難しい。

やっと少し貯まっても、ちょっとしたことで、またすぐにマイナスになってしまうことがあるから。

いくら頑張っても貯まらない。



自死遺族になって初めてわかった。

未来に向かって時を進めるのには膨大なエネルギーがいるということを。

そのエネルギーを失ってしまったら普通に時を刻むのがとても難しいということを。


そして、それを周りに理解してもらうことがとても難しいということを。