もう一人の私
長男の姿がこの世から消えてしまった日…
火葬場では身も心も疲れ果て、夢か現実か分からなくなっているような状態だった。
だから、ほとんど涙は出ず、ボーッとしていたような気がする。
ただ、周りの遺影はみんなお年寄りばかりなのに
なんで我が家だけ長男なのか思ったこと、
席に着いて待っている時に周りの祖父母や身内が笑いながら話していたのを何となく覚えている。
いや、私自身、一緒に来てくれたお坊さんの相手をして時々笑っていたかもしれない。
でも、何もかもすべて夢だったような感覚しか残っていない。
その時、人って悲しくても苦しくても笑えるんだなと知った。
そして、自分がもう一人現れて、笑っている自分をボーッと眺めているような気がした。
そして思った。
何で私は笑っているんだろう、何でみんな笑っているのだろう、何で長男がいなくなってしまったのに私は生きてるんだろう、と。
今でもたまにもう一人の私が心の中に現れる。
一人は笑ってるのに一人は泣いている。
その瞬間、心がバラバラになりそうになる。
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